太陽光発電システム設置までの7ステップ
2014/12/18
太陽電池の耐用年数はおよそ20~30年です。長い付き合いになるからこそ、最初は肝心。太陽光発電システムを設置するまでにどのくらいの期間がかかるのか、どんなタイミングでなにをすれば良いのかなど、設置にあたって知っておくべきことはたくさんあります。それでは、太陽光発電システム導入までの一般的な流れを確認してみましょう。
ステップ1:導入する動機と目的を検討する
まずはじめにしなければいけないこと、それはなぜ太陽光発電システムを導入するのか、その目的を考えてみます。使用電力を節電するためなのか、環境問題を意識したエコ目的なのか、それとももしもの時のための予備電力として確保する災害対策か、または投資としてなのか・・・などなどを十分に検討します。
動機や目的をはっきりと意識できれば、システムの容量や予算など後々検討しなければいけないことに目星を付けやすくなります。システム容量によっては補助金を受け取ることも可能なので、その申請期間も計画に含めることを検討します。
ステップ2:複数会社に見積り依頼する
次のステップです。システムを導入する目的が決まったら、次に販売施工会社に見積もりを依頼します。販売施工会社はいろいろな形態があり、お近くの工務店や電気店でも可能ですし、インターネットを利用した一括見積もりサービスもあります。見積りを依頼するときの注意点として、必ず複数の会社にお願いしましょう。価格やサービス内容を十分に比較・検討・交渉するためには、最低3カ所以上に見積り依頼を出すべきです。
ご依頼の前に。
依頼時に用意する情報としては、家庭用の場合、自宅の屋根の向きと屋根の形状、面積などです。遊休地にシステムを設置する場合は、設置地域と敷地面積がわかればおおよその設置可能容量を把握することができます。依頼時の前にまず図面を用意しておくことをおすすめします。
一括見積もりサービスを利用する場合
複数業者に見積りを依頼する場合、最も手軽にできるのは一括見積もりサービスです。いくつかの項目を選択・入力するだけで、最大5社ほどに見積りを依頼できます。依頼にかかる時間もおよそ10分もあれば十分ですので、見積り依頼にはぜひご活用ください。
大体の場合、おおよその工事費用や発電量・年間予測売電収入を示してくれます。見積もり結果から、徐々に会社を絞り、現地調査をお願いして正式な見積もり結果を出してもらう流れとなります。
ステップ3:現地調査をおこなう
見積り結果に納得がいけば、さらに詳細を詰めていくために現地調査にきてもらいます。
現地調査では、設置環境による発電量を試算してもらうことになります。太陽光発電は、日照時間やパネルの向き、設置する角度などによっても発電量が変わるので、現地調査は必ず行って下さい。
現地調査が終われば、その地域や設置場所に適した太陽光発電システムのメーカーを提案してもらえます。導入するシステムを決めれば、より詳細な発電シミュレーションや導入コストの検討も可能になります。ここまでくれば何年後に導入コストを回収できるか詳細な予測もできるようになります。
屋根に設置する場合は詳細な調査を
まずは屋根の強度や角度、向きを調べます。屋根の素材や老朽化の具合によっては、設置が難しいこともありえます。補強工事をすれば設置可能な場合もありますが、あまりムリをしてまで設置するのは控えた方が良いでしょう。また、屋根の角度が急勾配ならパネルを設置するために架台工事が別途必要な場合もあります。
ステップ4:販売施工会社と正式契約する・補助金申請
現地調査が終われば、契約に向けて販売施工会社から最終的な見積書が提出されます。見積書にはソーラーパネルの配置図面・設置後の外観シミュレーションをはじめとし、設置容量、パネルメーカー、年間予測売電量、設置工事費用、補助金など多岐の項目がありますのでひとつひとつチェックをしていきます。
サービス内容に納得できれば、正式に契約を結びます。ちなみに国や都道府県・市町村への補助金申請はこのタイミングでおこないます。おそらく販売施工会社が代行してくれますが、大切なことなので事前にしっかりと確認しておきましょう。
ステップ5:ついに設置工事がはじまる
販売施工会社との契約が無事に終われば、いよいよ設置工事になります。設置工事がはじまると、当然ながら資材がどんどん運び込まれてきます。そして、待ちに待った我が太陽光パネルとご対面!この時ばかりは何とも言い表しようがない感動にも似た気持ちに。これから長い付き合いになる”相棒”がそこにいるのです。
屋根に設置する場合、まずはパネルを設置するための架台を組みます。その後ソーラーパネルを設置し、パワーコンディショナーなどの周辺機器を取り付け、配線工事となります。
屋根の補強工事や断熱工事などの特別な事情がなければ、だいたい2~3日くらいを工事期間としてみればよいでしょう。
ステップ6:電気事業者と売電契約を結ぶ
工事が終われば発電電力を電気会社に売るための電力受給契約(売電手続き)を結びます。この契約は、申し込みから手続き完了まで、約1ヶ月かかるので年度の変わり目に計画をする場合は注意が必要です。
毎年売電価格は見直され下がっているので、年度末にはかなりの駆け込み設置があります。年度内に間に合わせるには、最低12月中には見積り依頼を行いましょう。
ステップ7:おまたせしました運用開始!補助金も受け取れます。
太陽光発電システム設置の検討を始めてから、ここまでおよそ1~2ヶ月ほど時間がかかっています。電力会社との電力受給契約も無事におわり、いよいよ太陽光発電生活のスタートです。
ちなみに補助金が給付されるのは、運転開始から数ヶ月後になるのでもうちょっとの辛抱です。
さいごに:手塩を掛けてメンテナンスを
無事に設置もおわり、ついに売電収入も得ることができます。はじめての収入は本当にうれしいものですね。
さて、ソーラーパネルには特別なメンテナンスの必要がありません。手がかからないように設計はされていますが、とはいっても定期的な点検を行った方がいいでしょう。販売施工会社によってによっては、定期点検を実施することが保証の条件となっている場合もあるので注意が必要です。
定期点検は一般的に専門家が行い、点検報告書を発行してもらいます。もしもの時のために、報告書は大事に保管しておきましょう。
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