2014年度(H26年度)の太陽光発電買取価格
2014/12/18
太陽光発電による買取価格というものは、国の方針として全国一律で決められています。電気事業者による買取価格は年度ごとに見直され、調達価格等算定委員会が3月に新たな価格を正式に決定します。
再生可能エネルギーの固定価格買取制度について
2012年7月11日からスタートした「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」は、太陽光などの再生可能エネルギー源(その他には水力、地熱、風力、バイオマス)で発電された電気を、一定の期間・価格で電気事業者が買い取ることを義務付ける法律です。
買い取り価格の傾向
ざんねんながら基本的に毎年1割前後は下がっていく傾向にありますが、比較的新しい制度なのでまだまだ高値での売電が可能です。ちなみに、一度売電の契約を行えば、買取価格と期間(10or20年)は契約時の買い取り価格で『固定』されるので安心です。
さて、気になる本年度の買取価格は以下のとおり。
2014(H26)年度の買取価格
買い取り価格や期間・形態というのは、家庭用(10kW未満)と産業用(10kW以上)で違います。一般家庭で屋根に乗せるタイプのシステムは平均して4kW程です。下の表を見てみると、産業用(10kW以上)のほうが買取期間や買取形態の面で条件が良いことになります。
太陽光 | 10kW未満 | 10kW以上 |
---|---|---|
売電価格 | 37円(税込) | 32円(+税) |
買取期間 | 10年間 | 20年間 |
買取形態 | 余剰電力買取 | 全量買取 |
これまでの買取価格
買い取り価格は毎年見直され、徐々に下がっていっています。断言はできませんが、諸外国の事例を見ると最終的には20円台にまで下がっていくようです。
年度 | 買取期限(10年間) | 1kWhあたりの売電価格 |
---|---|---|
2009年 | 2018年まで | 48円 |
2010年 | 2019年まで | 48円 |
2011年 | 2020年まで | 42円 |
2012年 | 2021年まで | 42円 |
2013年 | 2022年まで | 38円 |
2014年 | 2023年まで | 37円 |
なぜ買い取り価格が下がるのか?
ざっくり2つの理由があります。
固定価格買取制度は諸外国の事例を参考にし改良したものです。お手本にしたドイツでも買い取り価格は下がっていきました。
基本的にこのシステムでは、普及すればするほど買い取り価格はどんどん下がっていく運命にあります。
買取量の限界
電気事業者が発電買取りした費用は、賦課金によって回収することとなっていて、電気料金の一部として利用者が公平に負担します。現在、太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギーの普及が急速に拡大し、電力会社が買い取る電力が増えています。そのため、買取量が増えていば利用者の負担も増えるため、毎年価格を見直すことになっています。
イニシャルコストの低下
また、調達コストも徐々に下がってきているということも理由のひとつです。太陽光発電が普及するにつれ、ソーラーシステムの製造・販売業者も増えた結果、競争の原理により販売価格が低下してきました。さらにはこれに補助金も活用できるため、より多くの人が導入しやすいようになっています。
いま、とてもいい感じ
固定価格買取制度はまだまだはじまったばかりで、いまは普及期間にあります。導入数をどんどん増やしたいという国の思惑もあり、発電事業者にかなり有利な設定になっています。その分、電気利用者側にとっては負担大ということになりますが。。
導入するなら今の内な理由
固定価格買取制度のおかげで電気を高く売れるわりに、ここ数年でぐぐっと導入コストが下がってきました。一昔前は元を取るのに20〜30年もかかっていたのに、いまでは10年前後が当たり前。うまく行けば5〜7年程で導入費用をまかなえる場合もあるようです。
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