確実な保守メンテナンスで発電ロスをなくす
「太陽光発電をはじめるなら今がチャンス!」
新聞の折り込み広告やテレビCMでも目にするくらい、太陽光発電は社会に浸透してきました。広告の紙面には「採算が取れる」「メンテナンスフリー」と大きく謳ってあったりもするので、そのように信じている方も多いことでしょう。
しかしながら、やはり機械。20年の付き合いです。ずっと太陽光のあたる屋外という設置条件ともなると、20年間メンテナンスフリーでOKというわけにはいきません。ここでは、維持管理(メンテナンス)に掛かる保守費用について考えてみましょう。
維持管理にも費用を見込む
発電量に応じて売電収入を得る太陽光発電の仕組では、いかに発電ロスを減らしより多くの売電収益につなげることができるかが重要なポイントになります。そもそも太陽光発電モジュールの性能は毎年劣化していくものです。定期的なメンテナンスを前提として経年劣化の率はおおよそ年率0.5〜1%の割合ですので、最終的には80〜90%ほどの発電性能となります。
もちろん、メンテナンスを行わず経年劣化率が大きくなれば、その分だけ収益チャンスを逃すことになります。太陽光発電を導入するからにはメンテナンスフリーという幻想は捨てさり、定期的な発電チェック・保守管理・修繕を行うことを心がけた方が無難でしょう。
維持管理に費用のかかるもの
維持管理に必要な項目としては、定期的な点検費用と機器の修繕費です。
- 太陽光モジュール
- 太陽光モジュールの耐用年数は20年程度ですので、耐用期間中の修繕費は必要ないと考えてよいでしょう。ただし、保証と有償点検を考慮に入れれば4〜5年に1度の点検が必要です。
- パワーコンディショナー
- パワーコンディショナーの寿命は10〜15年程とされておるので、1度は交換しなければ奈良に可能性が高い機器です。価格は普及とともに下がっていますが、現状では交換に3〜5万円/kW程掛かるようです。
- 電力量計(メーター)
- 電力量計(メーター)も10年周期での交換が義務付けられています。電力会社によってまちまちですが数万円くらいはかかります。
維持管理費の目安
家庭用(10kWh未満)の場合
20年間の維持管理に必要な費用は、初期費用(建設価格)の10%程度を見込んでおくと良いでしょう。家庭用(10kWh未満)の場合ですとメーカーの10年保証を受けるためには、4~5年おきの有償点検を受ける必要がああります。有償の定期メンテナンスの費用は1回で1万円程度(20年間で5万円ほど)になります。たとえば、5kWで建設費用が150万円(補助金適用前)の場合だと15万円程は最低でも確保しておきたいところです。
産業用(10kWh以上)の場合
20年間の維持管理に必要な費用は、初期費用(建設価格)の3~4%程度を見込んでおくと良いでしょう。
50kWで1,500万円掛かったならば45〜60万円程は確保しておきたいところです。それでも機器自体の経年劣化は免れませんが、不必要な発電ロスは防ぐことが可能です。
まとめ
太陽光発電を販売施工会社には維持管理費用をほとんど考慮されてないケースも見られるので注意が必要です。販売施工会社に見積りを依頼する場合、導入コストに関する提案と同時に、設置後の保守メンテナンス体制の提案も求め、維持管理費として収支計画に反映させることが重要です。
また、その際には販売施工会社による自主点検のみではなく、第三者会社による保守・メンテナンスであるかどうかも確認して見ると良いでしょう。
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