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太陽光発電、24のデメリット

      2014/12/18

text_demerit太陽光発電をはじめる前に、これだけは知っておくべき24のデメリットです。「太陽光発電をはじめる!知っておきたい25のメリット」で解説したように、太陽光発電システムには様々なメリットがありますが、もちろんながら良い点ばかりではありません。

太陽光発電システムの導入を検討する際には、メリットとデメリット両端をしっかりと把握しておかなければなりません。

太陽光発電システムのデメリット

まずは、太陽光発電システム自体のデメリットを挙げていきましょう。「設備面のデメリット」と「社会や環境に対するデメリット」の2つに分けています。

設備面としてのデメリット

1)他の発電方法と比べ、発電効率は悪い

現状で普及している太陽光発電システムの発電効率は12%~21%ほどです。太陽エネルギーを10とすれば、1〜2くらいをなんとか活用できるということになります。たとえば火力発電は40%ほど、水力発電は80%ほど、風力発電では60%ほどになっています。

2)場所によっては太陽光発電システムを設置できない

太陽光発電で売電する場合、電力会社と契約し送電線にシステムを接続しなければなりません。

ここで問題になるのが、接続に掛かる費用。接続に掛かる「電源線」の敷設費用は事業者の自己負担となります。既存インフラが近接されており利用できるならば費用はかかりませんが、近くにインフラが整ってない場合や設置規模によっては負担が大きくなります。

さらに、電力会社には送配電ネットワークへの「接続拒否」が認められています。地域内の電力供給量と需要量のバランスが崩れる場合や、送電量がネットワークの許容範囲を超えるような場合には、接続拒否される場合があります。

どちらの問題にせよ電力会社の都合によるので、事前の協議は必要です。太陽光発電システムの設置費用以外にも様々なコストが発生することは頭に入れておきましょう。

3)発電量が気象条件により大きく変動する

太陽光発電だけではなく水力発電など再生可能エネルギーに共通する課題でもありますが、太陽光発電は気象条件によって発電量が大きく左右されます。

発電量は日照量に比例するため、雨の人晴れの日では発電量に大きな差があります。他にも季節や時間帯でも違いがありますし、設置環境によっても発電量は変わってきます。

そのため、導入にあたっては設置場所ごとに個別の状況を加味してシミュレーションしなければなりません。いざ設置してみたら想定よりも全然発電ができなかったというケースは稀にありますので、計画はしっかりと。

4)発電量に関してのスケールメリットはない

デメリットというわけでもないんでしょうが、発電量に関しては規模を大きくしてもスケールメリットはありません。1kWあたりの年間発電量はおよそ1,000kWhです。10kW設置しようが100kW設置しようが年間発電量は単純に10倍、100倍となっていくだけです。この点では火力発電所や原子力発電所などのように集中型発電方式をとるメリットはありません。

ただし、システムの設置費用などについては規模が大きくなれば発電量あたりのコストは下がります。10kWのシステムなら30万円/kWで、100kWのシステムなら25万円/kWでということがあり得ます。なので、条件さえ合えば規模は大きい方がお得です。

5)夏場などの高温時には発電効率が落ちる

夏場などでは気温が上がりますが、それにより太陽電池モジュールが高温になると発電効率が落ちてしまう特徴があります。一般的なイメージとしては、日照量が多いほど発電量は増すので夏場には発電効率が上がりそうな気もしますが、発電量が最も多い時期は5〜7月です。

ただし、太陽電池モジュールの種類によっては、高温時の出力低下が少ないものもあります。普及しているモジュールの多くはシリコンを使用した「単結晶シリコン型」・「多結晶シリコン型」ですが、シリコンを使用していない「非結晶シリコン型(アモルファスシリコン型)」や結晶シリコン型を組み合わせた「ハイブリッド型」、化合物で作られた「CIS(CIGS)型」は高温時でも出力の低下が少ないという特性を持っています。

6)モジュールの一部が発電できなくなると、全体の発電効率が低下する

太陽電池システムの構造上、太陽電池モジュールをつなげてひとつの系統・グループをつくります。ここで問題となるのが、太陽電池モジュールの一部が発電できなくなると、モジュール全体の発電効率が落ちてしまうことです。一部が影や積雪、汚れなどで隠れてしまった場合、隠れてしまった面積以上に発電量が低下してしまいます。

解決策としては、CIS(CIGS)型太陽電池モジュールは影に掛かる部分だけ発電効率は落ちるものの、全体には影響しないといった特徴があります。ただし、結晶シリコン型などと比較するとそもそもの発電効率が低いので、設置環境に合わせてどちらの条件が良いか検討しましょう。

7)夜間は発電できない、発電した電力も使用できない

当然ですが、太陽光発電は太陽光で発電する仕組なので、夜間は発電することができません。発電されるのは日中だけです。ちなみに、日中で発電した電力は夜間つかえません。夜間の時間帯については電力会社から電気を買う仕組になっています

8)システムには寿命がある

こちらももちろんですが、太陽光発電システムには寿命があります。一般的には20~30年程度の耐用年数となっていますが、実際の寿命については製品や設置条件、設置場所によっても異なります。

システムに可動部分が無いため故障するリスクは低いのですが、太陽光発電の場合、年を経るごとに発電効率が下がっていきます。20年使用するとしても最終的には80〜90%の発電効率となると言われています。急に使えなくなるわけではないので、システムを入れ替えたり廃棄する必要は必ずしもありませんが、いつかは直面する問題です。その際の資金計画や土地利用の方法などは考慮しておく必要があります。

また、発電した直流電気を交流に変換するためのパワーコンディショナについては10~15年程度の寿命、電力計については10年で取り替えなければいけません。

9)落雪の対策が必要な場合がある

太陽光発電システムを設置した場合、雷が落ちやすくなることはありません。ただし、(雷害を受ける確率は一般の建物と同頻度と言われていますが)雷害に遭うことはやはりあり得ます。

パネルに雷が落ちた場合の被害は大きなものではありませんが、問題はパワコンです。パワコンや接続箱内にはZNR(バリスタ)と呼ばれる安全装置がありますが、雷エネルギーが大きい場合などには誘導雷によりパワコンが故障してしまいます。パワコンは高価なものですし、交換までの間は売電できませんので損失は大きくなります。

対策として襲来頻度が高い地域には、避雷器を設置するとよいでしょう。料金で折り合いがつけば、保険に加入するのも良いでしょう。

10)蓄電ができない

現状では、太陽光発電機器は蓄電できません。システムで発電した電気は、作ったそばから電気事業者へ売電する仕組です。ですので、発電できない夜間に関しては電力事業社から電気を買うことになります。

非常用の電力確保として太陽光発電に興味を持つ方はたくさんおられますが、蓄電システムを付加しない限り、非常時夜間の電力は確保できない点については注意が必要です。

環境や社会に対するデメリット

11)太陽光発電パネル製造時の環境負荷

太陽光発電は発電時でのCO2排出などの環境負荷がなく、再生可能エネルギーとして注目を浴びています。一方で「パネル製造時の環境負荷があるためそんなにエコじゃないんじゃないか?」という意見もみられます。

結論から言えば、太陽光発電のパネル製造に必要なエネルギーは、その後システムを稼働させることでそれ以上の電力を生産できます。とは言っても、製造時の環境負荷が存在するのは事実。環境負荷をより減らすことができるよう今後の研究が期待されています。

12)ソーラーパネルの反射光

太陽光発電の導入の際には近隣住民に対しても配慮が必要です。住宅の屋根にソーラーパネルを設置した場合、「反射光が眩しい」 または「反射光で熱い」といったクレームがくる場合があります。民事裁判になった場合、損害賠償や撤去といったことも十分あり得るので、導入にあたっては注意が必要です。

対策としては、パネル設置角度を工夫する他、ソーラーパネル用の反射光防止シートを貼る、表面を凸凹に加工して反射光を軽減するパネルを採用するなどが挙げられます。

13)地域の景観を崩す恐れがある

太陽光発電は基本的に目につきやすいものです。住宅の屋根に設置する場合は、周辺環境や景観に配慮する必要もあるでしょう。特に、風光明媚な市町村などでは、景観法や風致地区条例等による景観規制を受ける場合があります。設置可能であっても所定の手続きが必要になることもあるため注意が必要です。

太陽光発電システムを導入するデメリット

現状では太陽光発電システムを導入数を増やすため、さまざまな優遇制度があります。ただ、今後の買取価格の変更や電気料金の上昇、補助金制度などの状況によっては、収益が確保できなくなる可能性もあるので注意が必要です。

経済的なデメリット

14)システム設置時の導入コストが高い

導入時のコストがまだまだ高いというのは、太陽光発電システムの代表的なデメリットでしょう。相場はだいぶ下がってきたとはいえ、設置価格は1kWあたり30〜40万円は掛かります。住宅の屋根に設置する平均的な相場も150~300万位は掛かるので、お手軽に導入できるような価格ではありません。

15)他の発電方法よりも発電コストが割高

基本的に、火力発電や原子力発電と比べると、太陽光発電の発電電力量あたりのコストが数倍も高くなってしまうようです。現状では普及のために政府の補助金政策などを活用できますが、これもいつまで続くかは分かりません。

ただし、技術改良、技術革新が進むにつれコストは年々低減しつつあり、太陽光発電の先進国では他の発電方法との発電コストの差が縮まってきています。今後まだまだ伸び白のある分野ではあるので、更なるコスト削減は期待できます。

16)収益が補償されているわけではない

太陽光発電の大きなメリットとして「固定価格買取制度」があげられます。2012年7月にスタートしたこの制度のおかげで、売電価格と期間が固定されているため、収支計画もたてやすいのが特徴です。たしかに、収益を見込めるビジネスではあるのですが、あくまで期待通りに発電量が確保できることが前提です。

実際のところ、あらゆるケースにおいて実際の発電量がシミュレーション通りとなるとは限りません。収益の予測をすることは簡単ですが、回収期間が10〜20年と長いためそれ相応のリスクはつきものです。

17)将来的に売電できなくなるかもしれない

現行の政策では、一定期間(10年or20年)は固定価格(電力を購入するよりもずいぶん高い価格で)で売電できることになっています。ただ、その期間が終われば、どうなるか分かりません。希望的観測としては電力の購入金額程度で売電できることです。悲観的な見方としては、買い取り拒否をされることです。

そもそも10年後の電力事情は大きく変わる可能性の高いもので、すんなりとは予測できません。効率的な新たな発電方法が生まれてくるかもしれませんし、安価な蓄電システムが構築されるかもしれません。ただ、つくった電気自体はムダになることはあり得ないので、たとえ売電できないとしても電力を利用することは可能です。

18)売電すればするほど、電気料金の値上げとなる

「固定価格買取制度」のおかげで。つくった電気を高く買い取ってもらえるわけですが、その代金は電力会社が気前良く出してくれるわけではなく、電力を利用している人たちが公平に負担しています。電力会社からおくられてくる伝票に「再エネ発電賦課金等」という項目がありますが、サーチャージ(加算金)という形で負担しておるのです。

つまり、電力会社が高い価格で買い取る電力量が増えれば増えるほど、電力を利用している消費者にしわ寄せが行くという仕組です。

実際に、ドイツでは「全量固定価格買取制度」が大きな問題になっています。ドイツは2000年から全量固定価格買取制度を開始しており、急速に太陽光発電が普及しました。その結果、電気料金が上昇し続け家庭用の電気料金が2倍程になってしまい、消費者からの不満が噴出しまくっています。

19)交換部品があるため維持費がかかる

太陽電池モジュール自体は20〜30年程の耐用年数があるので一度設置すれば維持費は掛かりませんが、パワーコンディショナーや電力量計(メーター)は一度は交換する必要があるでしょう。

パワーコンディショナーの寿命は10〜15年程とされておるので、1度は交換しなければ奈良に可能性が高い機器です。価格は普及とともに下がっていますが、現状では交換に3〜5万円/kW程掛かるようです。

電力量計(メーター)も10年周期での交換が義務付けられています。電力会社によってまちまちですが数万円くらいはかかります。

20)元を取るために10年前後はかかる

以前は元を取るのに20年以上掛かると言われていましたが、最近では設置価格が下がったことや補助金・売電単価の上昇により、10年前後で十分に元が取れる様になってきました。安く設置できた場合であれば5〜8年でも元をとれるのではないでしょうか。

とはいっても、やはり、10年というのはとても長い期間です。その間には、大型の台風、数十年に一度の大地震、洪水、火山の噴火、なんなら隕石までなにが起こるか分かりません。そういったリスクは何をするにしてもつきものですが、なにかあった時に総崩れしないよう計画を立てておくことが必要です。

21)ソーラーローンを組む場合は、支払利息がかかる

ローンを組んで設置を行う場合、もちろん利息が掛かってきます。
たとえば導入費用200万円を金利2.0%、返済期間10年でソーラーローン組んだとしましょう。すると返済総額は2,208,265円になり、支払利息総額は208,265円になります。

けっこうな額です、利息って。
利息などの費用も含めて、経済的なメリットがあるのかどうかを判断しなければなりませんね。

太陽光発電システムを導入する副次的なデメリット

22)雨漏りの原因となる可能性もある

新築時に太陽光発電システムを導入する場合、屋根と太陽電池モジュールが一体になっているタイプもあるので問題ありません。心配なのは、既存の屋根にシステムを設置する場合。設置する際には屋根に穴をあけて架台を固定することになります。そして、この屋根に穴を空けることが原因となり、雨漏りする事例が少なくないのです。

しかっりと施工を行ってくれる会社であればリスクも減りますが、そうはいっても可能性がなくなるわけではありません。また、施工技術が低い会社で工事を行った場合は目も当てられません。もちろん、万が一の場合でも施工補償などで対応はきっちりしてもらいますが、気持ちよいものではありません。

一方で、穴を開けずに架台を固定するタイプなど技術革新が進んでいます。トラブル防止のためにも、そういった製品も検討に加え、十分な知識も持っておいた方が無難でしょう。

23)住宅の耐震性が落ちる?

太陽光発電システム、けっこう重いです。とても重いものを屋根の上に設置することになるので、住宅の耐震性が低下する場合があります。屋根の重さが増すと家の重心が上へと上がっていき、頭でっかちのような状態になります。頭でっかちになってしまうことは、揺れやすくなり住宅の構造材への負担が増えるため耐震性が低下してしまいます。

ちなみに、太陽電池モジュールは1枚あたり10~15kgほどの重さがあります。たとえば5kWのシステムを設置する場合、屋根には30枚程の競ることになるので、パネルだけでも300〜450kgほどの重さになります。さらに、架台の重さも考え無ければなりませんし、耐風圧に対しても考慮しとかないといけません。

24)接続箱が原因で火災を引き起こす可能性

一般的に接続箱は外壁部に設置しますが、万が一にも風雨で箱の中に水が入り接続端子がショートすれば、火災につながる可能性があります。

過去には接続箱が原因での火災事故が発生したこともありますので、設置場所や接続箱が置かれる環境については十分に注意が必要です。また、接続箱の設置については風雨を避けた場所を推奨されています。設置の際には規定通りに設置をするよう心がけましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
上記のように、太陽光発電にはデメリットやリスクもあります。短所をちゃんと理解し、できるだけリスクを低減できるよう、信頼のおける会社を選びしっかりした施工を行ってもらえるよう計画を進めることが重要です。

 - 太陽光発電の基礎知識

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