太陽光発電のメリット25選
2014/12/18
これから太陽光発電と長く付き合っていく上で、知っておいて損はない25のメリットです。ちょっと長いですが、ぜひ参考にしてみて下さい。
太陽光発電システムのメリット
太陽光発電という発電方法は、他の発電方法と比べて見るといろいろなメリットがあります。ここでは、どのようなメリットや違いがあるのかについて解説します。
設備面としてのメリット
太陽光発電システムには、他の発電システムと比較して設備面での優れている点が多くあります。
1)屋根や壁面に設置できるため、他の発電方式と比較して設置制限が少ない。
太陽光発電は設置する場所や広さに合わせて規模を決めることができます。しかも、屋根や屋上、さらには壁面でも設置できるため、、日射量さえ確保できれば、設置場所を選びません。一般家庭から大規模施設まで、それぞれの施設に合ったシステムを設置することができます。たとえ土地がないとしても設置することは可能なので、小資本でも発電生活をスタートすることができます。
2)機材に可動部分が無い静的システムなため、機械が故障しにくい
太陽光発電システムは自動車のような動く機械ではなく、地面や屋根などに固定した後は移動なしに稼働するシステムです。固定しておくだけで発電システムとして稼働することができるため、故障リスクが低い傾向にあります。可動システムが必要な他の発電方法と比較すると大きなメリットとなります。
3)パネル発電効率が一定なので、発電規模に関係なく運用ができる
太陽光発電の場合、パネル発電効率でのスケールメリットというものはありません。つまり小規模・分散型のシステムでも運用が可能だということです。小規模な家庭用の太陽光発電システムが成り立つ、または急速に普及している理由もここにあります。ただし、発電規模を大きくした場合、架台や電気機器については省コスト化が可能です。
4)シンプルな構造なので、メンテナンスが容易
太陽光発電システムはシンプル構造形式で構成されているため、他の発電システムと比較するとメンテナンスが容易です。設置場所などの諸条件によって変わりますが、太陽電池の耐用年数は20〜30年とシステムの寿命も比較的長いのが特徴です。
5)どこにでも設置可能なため、送電コストやロスを最小化できる
比較的小規模な太陽光発電システムの場合、電気の供給地と需要地を近接させることが可能です。
例えば、自宅の屋根にシステムを設置すれば、発電した電気を自宅で使用することができます。電気の供給地と需要地が同じであれば、送電コストやそれに対するロスも最小化できます。
6)ソーラーパネルはモジュール化されているので、導入までが早い
太陽高発電システムは太陽電池電池モジュールをつなげてシステム化します。「モジュール化」されているので、システムを分解して運ぶことが可能です。小型のパーツとして運搬できるので、発電システムの移動や設置が非常に容易となり導入スピードを早めることが可能となります。
環境や社会に対するメリット
次に、環境や社会に対するメリットという観点でみてみます。
7)太陽光発電はクリーンで、エネルギー源が枯渇しない
太陽光発電の最大のメリットは、太陽が存在する限りエネルギー源が無尽蔵ということです。加えて、エネルギー源が太陽光なので、他の発電方式に比べ極めてクリーンです。たとえば火力発電は、石油を燃焼させて電気を起こしますが、発電時にCO2(二酸化炭素)やSOX(硫黄酸化物)などの大気汚染物質を発生させます。
ちなみに、結晶系シリコンの太陽電池による原油削減量は、1kWシステム当たり年間で227リットルにもなります。CO2削減量は、1kWあたり年間314.5kgになります。
8)構成部材のほとんどがリサイクル可能
構成材料の大部分が再利用可能であるということは、太陽光発電システムの大きな特長です。
例えば、太陽電池モジュールの寿命は20年~30年程度と言われていますが、期待寿命を経たのちでも最終的には発電効率80%ほどを維持しています。それほど高性能であれば、中古としての利用価値もまだまだあるそうです。また、モジュールに使用されているシリコンをリユースしたの製品に活用することもできます。既に太陽電池モジュールのリサイクル・リユース業者は存在していますが、今後の普及に伴って増えていくことでしょう。
9)エネルギー自給率を向上させることができる
みなさんご存知の通り、自動車に使うガソリンは輸入しています。日本はエネルギーを他国に頼っているのですが、たとえば電気自動車がもっと普及すればエネルギーは太陽でまかなうことも可能となり自給率はぐっと上がります。
ましてや石油などの化石燃料は限りある資源ですし価格も高騰しているため、今後安定的に確保できるとも限りません。輸入が必要な化石燃料などを原料として利用する火力発電などを縮小していくことは、エネルギー安全保障の側面からも重要なことです。エネルギーの地産地消を進めることで、エネルギー輸送コストの低減、安全保障など様々なメリットがあると言えます。
10)効率良く電気を使用できる
家庭用の場合、太陽光発電は発電した電力のうちおよそ90%を使用することができます。一方、火力発電の場合だと非常に長い距離を送電線を通って運ばれるため、発電量の35%程しか利用できません。送電線を電気が通っている間、実に65%程度が失われ、ロスになります。もちろん、送電距離が長くなればなるほど比例してロスが大きくなります。
11)温室効果ガスを排出しない、エネルギー回収率も高い
人類全体に大きな損害をもたらす地球温暖化の原因として温室効果ガスの影響が指摘されています。全世界的な取り組みとして、温室効果ガスが発生しない発電方法へのシフトしています。火力発電の場合、発電時に大量の温室効果ガスを排出しますが、太陽光発電は発電時に温室効果ガスを排出しません。
12)騒音・排水・排気・振動・廃棄物など、環境への悪影響がほぼない
太陽光発電は、騒音・排水・排気・振動・廃棄物など環境への悪影響がほぼありません。太陽電池(モジュール)の製造に使用される電力は1年前後で回収できます。さらにその後、システムを維持するための電力はほぼ必要としませんので、とてもクリーンなエネルギーと言えます。
13)需要ピーク電力の削減に効果がある
多くの人が昼間働きよるはねるというリズムで生活をしているため、電力を使用する時間帯が集中してしまいます。電力需要のピークとしては、やはり夏場の空調機利用時です。7~9月の平日13~16時頃が高くなっています。太陽光発電では、発電する出力ピークが昼間の電力需要ピークと重なるため、電力の削減にも効果があります。
太陽光発電システムを導入するメリット
次に、太陽光発電システムを導入することで得られる具体的なメリットについて解説していきたいと思います。
経済的なメリット
太陽光発電では設備面や環境に対してメリットがあると言うだけではなく、経済面に関しても様々なメリットがあります。
14)電気料金を安くすることができる
家庭用の太陽光発電システムを導入すると、発電した電力を自宅用で消費できます。日中の時間帯に発電した電力でまかなうことができれば、電気事業者から電力を買う必要がありません。たとえ賄えないにしても、不足分は自動で購入することができるので安心です。
15)補助金制度を活用すれば費用を抑えられる
政策として自然エネルギーの導入を促進いるので、国や自治体が補助金制度をつくっています。補助対象となるシステムに条件などありますが、これらをかしこく活用できれば、導入コストを抑えることができます。
16)余剰電力を電力会社に売ることができる
家庭用の場合、使用しなかった発電電力は電力事業者へ「売る」ことができます。一般的に「売電(ばいでん)」と呼ばれていますが、面倒な手続きはいっさい必要ありません。導入時に手続きをしておけば、日中に使用しなかった発電電力は自動的に電力会社へと売られます。売られた電力は他の家庭で利用され、その代金は使用状況異能時て契約者全員で公平に負担します。
例えば、仕事などで日中ほとんど電気を使用しない家庭の場合、発電した電力はほぼ売電に回すことができるため大きな利益を得ることが可能です。2012年7月スタートの「固定価格買取制度」によって家庭用の場合10年間は買い取り価格が固定されているため、導入時の収益シミュレーションも計画しやすくなっています。
17)設置規模によっては全量買取も可能
太陽光発電システムは節電目的だけではなく、売電による投資・金融商品としての側面も持っています。特に産業用(10kWh以上)のシステムを設置できる場合はビジネスチャンスです。「固定価格買取制度」は、太陽光発電がちゃんと”ビジネス”として成り立つように設計されているので、導入する企業も急速に拡大しています。
18)導入時に低金利ローンが使える
太陽光発電の導入に関して、資金の準備が一番の問題になります。太陽光発電を投資としてみると、設置費用を自前で用意できるのが最も望ましい形ですが、そうはうまく行かない場合もあるかと思います。しかし太陽光発電に関していえば導入コストに関してもさまざまな優遇処置がなされています。たとえば、銀行や信用金庫などが用意しているソーラーローンを活用すれば、低金利で、担保なしで融資をうけることができます。
19)太陽光発電は節税効果がある
10kW以上の産業用太陽光発電では、「グリーン投資減税」という税制上の優遇を受けることができます。グリーン投資減税制度を活用した「即時一括償却」は、減価償却をその年に全額おこなうことができる制度です。太陽光発電の場合、通常ならば17年間(システム耐用年数)で減価償却していきますが、設置した年に設置費用全額を全額控除できます。
太陽光発電システムを導入する副次的なメリット
20)システムを維持するための電力をほぼ必要としない
上記でも触れましたが、太陽光発電はシステムを維持するための電力をほぼ必要としません。つまり運用するための燃料コストがまったくかかりません。必要なのはメンテナンス、修繕費用のみですので、収支計画もたてやすいのが特徴です。
21)消費電力量や発電量をチェックすることで、節電意識へとつながる。
太陽光発電システムの導入メリットは様々ですが、最も大きな関心ごとは初期投資費用の回収です。そのためなのか、早期回収して利益につなげていきたいという気持ちは、じつは節電に大きな効果があるようです。
ちなみに、太陽光発電システムには付属品として、現在の消費電力状況や売電状況、発電状況などが一目で分かる「電力モニタ」を利用することができます。地球環境に対する配慮だけではなく、やりがいとして楽しみながら取り組むことも可能になります。「消費電力量や発電量の可視化」で「一人一人の節電意識」が高まれば、結果として売電での相乗効果が生まれます。
22)屋根にパネルを設置することで遮熱効果がある
太陽光パネルを屋根や屋上に設置する場合、遮熱効果を期待できます。夏場では最上階の室内温度が10度以上も下がるケースもみられ、屋上緑化と同等の効果があるとされています。もちろん、屋根・屋上面での遮熱効果は建物全体での節電や快適性にもつながります。
23)子供の環境教育に活かすことができる。
太陽光発電システムを導入することで、電気の仕組や大切さ・地球環境の話題など、子供への環境教育に活かすことも可能です。教材が目の前にあるので、太陽光発電の仕組みも理解しやすく、よい体験型学習になると言えます。実際の運用を経験することは、子供の将来にとっても役立つことでしょう。
24)停電時や災害時の非常用電源として活用できる
太陽光がある限りは発電をすることができますので、停電時や災害時などの非常用電源として活用することも可能です。緊急災害時ではラジオを聞くだけでもその後の運命を決めるかもしれません。防災道具のひとつとしての側面も併せ持っているのです。
25)企業の場合、広告宣伝効果にもなる
環境保全に取り組むことは、企業の広報に活用することで十分なアピールポイントとなります。目に見える実績として太陽光発電を導入することは、企業ブランドのイメージ向上にも役立ちます。今後そういった環境対策は、企業にとって社会的責任(CSR)となっていくでしょう。また従業員の節電への関心を高めるといったメリットもあります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。上記で解説したように、太陽光発電システムを導入することには様々なメリットがあります。経済的なメリットはもちろんですが、設備面や社会・環境に対するメリットもあるので、総合的に考えれば導入の価値は一考の余地有りです。
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